ファセットナビゲーション、または属性ナビゲーションとも呼ばれるサイトナビゲーションは、買い手に欲しい商品を絞り込ませることができる機能です。買い手は検索結果を探している物の条件に合わせて絞り込むことで、より狭められた結果の中から買い物をすることができます。
買い手が属性を選択してサイト内検索を行うと、その条件によって絞り込まれた検索結果が表示されます。これらのページはそれぞれ独自の物であり、属性を含んだ個別のURLが生まれます。これはSEO最適化にとって大きなメリットとなります。キーワードとなる属性がGoogleにインデックス登録されることで、より多くの閲覧が見込めるからです。
ところが、サイトナビゲーションの独自のページを生み出す機能には実は注意が必要です。きちんとした管理がなければ、SEO最適化にとってデメリットをもたらすこともあるのです。
以下に挙げるのは、サイトナビゲーションがもたらすメジャーな二つの問題点です。
これらの問題は、実際には10万点しか商品のないサイトに2億ものページがインデックスされてしまうなどといったことを引き起こします。 買い手が属性を選んで絞り込み検索を行う際、検索結果として独自のURLが生まれますが、実際にはひとつのURLの違うバリエーションにすぎないのです。
例を見てみましょう。 買い手があなたのECサイトにある「Tシャツ」のカテゴリをクリックしたとします。
その際のページのURLはこうなります:
https://yourstore.com/t-shirts/
買い手はそこにさらにMサイズ、青色、コットン生地という属性を付け足しました。そうするとまた別のURLが出来上がります:
https://yourstore.com/t-shirts/attributes?size=M&color=blue&material=cotton
URLは異なるものの、違うページに飛ぶことはありません。最初から同じページのまま、表示される商品を減らしているだけにすぎないからです。 同じ属性(素材)から他の物(ポリエステル)を追加した場合、さらにほぼ同じページのURLが作られます。
例:
https://yourstore.com/t-shirts/attributes?size=M&color=blue,black&material=cotton,polyester
さらにコンテンツの管理システムが十分でなかった場合、まったく同じ検索結果にいくつものバージョンのURLができてしまったりもします。
https://yourstore.com/t-shirts/attributes?size=M&material=cotton と、
https://yourstore.com/t-shirts/attributes?material=cotton&size=M
のように、どちらも同じ検索結果(Mサイズ、コットン生地)であるにもかかわらず買い手が違う順番で属性の選択をしたために違うURLができてしまいました。 これで、サイトナビゲーションが商品数に対して膨大な量のインデックスページを生み出してしまうことが理解いただけたかと思います。
サイトナビゲーションには、買い手が商品の検索をしやすくなるというメリットがある一方、インデックスを妨害しかねないというデメリットもあります。もちろん最も代表的でアクセス数の多いページをインデックスさせたいところですが、Googleのクローラーボットはサイト内すべてのページをインデックスできるわけではありません。価値の低い重複ページを増やさないためには、ではどうしたらよいのでしょうか?
サイトナビゲーション機能を知る
サイトナビゲーションを調節したら、次に必要なのは検索エンジンにおけるあなたのECサイトについて知ることです。サイトナビゲーションが作り出したページに実際人々はアクセスしているでしょうか?
頻繁にアクセスがある検索結果ページ(例えば「白色」で「コットン生地」の「Tシャツ」など)は確実にインデックスさせるべきですが、ほとんど誰も検索しないようなページ(「黄色」で「ポリエステル生地」「XXLサイズ」の「Tシャツ」など)は、インデックスに値しません。
SEO最適化は在庫にあわせてインデックスさせるべきという意見もありますが、実際のアクセス数など現状に合わせてインデックスさせたほうがよいでしょう。在庫は頻繁に変動するのに比べてインデックスはそうでないからです。
まずはサイトナビゲーションページ、属性の生み出す独自URLをインデックスさせるかどうか決めるところから始めましょう。そしてもしするなら、上記のように優先順位を決めたり制限を設けたりしていきます。
サイトナビゲーションは、膨大な量のURLや重複したページを生み出すことでSEO最適化の邪魔をしかねません。もちろん妨害の度合いは様々な状況によって変わってきますが、それらを起こさないためにもあなたのECサイトのナビゲーション機能をきちんと知っておくことは大きな助けになると言えます。