正確なナビゲーション機能のためには、ストア内すべての商品がそれぞれの属性や特性にきちんとタグ付けされている必要があります。例えば青のスエード靴を出品する場合、「青」「スエード」そして最もよく使われている「サイズ」のタグに紐づけられていることが重要です。
ナビゲーション機能はサイト内に膨大な量のデータ構造を要します。これらの管理は誰が行っているのでしょうか?ECモールかまたは出品者か、この記事ではその両ケースにおけるメリットとデメリット、そして最終的な責任はどこにあるべきかを解説します。
まずは出品者にタグの管理権があった場合。出品者にとっては、商品を自由に説明することができるためより有利であると言えます。新しい属性やユニークな特性のタグを付けることで、オリジナリティを出して目立つことができます。しかし実際には、個性的すぎるタグは目立つ代わりに関連性が低くなってしまいがちです。
さらにこれらは膨大な量のデータとなり、ECモールにとって問題になってきます。冗長なタグの羅列は買い手にとっても見づらく、混乱の元になってしまうでしょう。
例えばEbayでネクタイを探そうと思った場合、まず絞り込みの候補になるのが「素材」です。ところが絞り込みタグの中には「綿100%」とただの「綿」、または「ウール100%」とただの「ウール」といったような重複がいくつか見られます。「素材」ひとつの属性だけでもこれだけ細かすぎるタグがあるというのは、明らかにサイト構造がうまく整頓されていないという証拠です。
もし買い手が綿素材のネクタイを探している場合、「綿100%」とただの「綿」どちらのタグを使って絞り込めば良いのでしょうか?この一瞬の混乱は実はユーザー体験に多大な影響を及ぼします。また、こういった重複や冗長性はSEO(検索エンジン最適化)の無効化にもつながります。同じ属性の相違によって、多くの商品が検索結果に表示されなくなっているというのが現実です。
次に、ECモールに責任がある場合を考えてみましょう。ECモールが定めたタグを出品者に提供し、出品者はそこから選択をします。タグの複雑化と冗長化、重複を防ぐことができます。
この場合のデメリットは、出品者の個性を減らしてしまうことと、新しいタグの流行調査がECモールのコンテンツチームに一任されてしまうことです。タグを自由に追加できるようにすると先述のようにタグの冗長化が起きますが、買い手が検索するタグの傾向やブームは常に更新されていきます。買い手に最も快適なユーザー体験を提供するためには、その流行を掴むことが重要です。出品者のアイディアや意見はそのための有効なソースとなるのです。
つまり、最善策は両者の中間ということになるでしょう。もちろん最終的なタグの管理責任はECモールにあるべきですが、出品者のアイディアや意見を取り入れることも重要です。
タグの複雑化を防ぐためにECモールはあらかじめタグを用意し、出品者に新たなタグの制作をさせないことが大切です。その代わり、ECモールはナビゲーション構造の管理と、用意したタグと商品とを結びつける責任を負担します。また出品者も、自身の商品によりふさわしい属性や特性があればそれをECモールに意見することが大切です。そうすることで買い手の検索傾向や流行に合わせたタグを用意することができ、より快適なオンラインショッピングを買い手に提供することができるようになるでしょう。