eBayに出品するうえで、そしてSEO対策を行う上で、eBay側がコントロールしている部分だけでなく、売り手がコントロールできるSEO対策も存在することを知っていましたか?今回の記事ではeBayのSEOについてご紹介します。
eBayではご存じの通り、カッシーニという検索エンジンが使われています。Googleなどの通常の検索エンジンと、データ索引とアルゴリズムの仕組みは似ていますが、違うところもたくさんあり、カッシーニに合わせたSEO対策が必要とされます。
eBayとGoogleのSEOの違いを知るために、まず始めにeBayのSEOとはなにかを知りましょう。
eBayがコントロールするSEO
リンク構成
Googleのサイト表示順位を左右するものの一つに、外部からサイトへのリンク数があります。他サイトからの信用度の高いリンクが多ければ多いほど、そして検索クエリにマッチしているほど、検索結果での表示が上位になります。
ところが、ここで重要なのはリンク構成はURLに固有であるということです。
eBay内のリスティング、そしてショップのURLはすべてeBayのドメインであるため、GoogleがeBayリスティングへのインバウンドリンクを索引したとしても、それは個人の売り手ではなくeBay全体への索引となってしまいます。そのため、eBayの売り手はSEOにリンク構築であまり貢献することはできません。
ページ読み込み速度
Googleは、ページを読み込む速度を計ってウェブサイトのランキングに使用します。もちろん、速度が速いほど得点は高くなります。
eBayは2012年のMarkoに始まって、eBayのオープンソースであるJavaScript UIフレームワーク、そして4年後にはGoogleのAMPを使用して、ページの読み込み速度を飛躍的に加速させてきました。
2019年、eBayは全社的な取り組みとして“Speed”を使用し、サイト全体の快適なアクセスとパフォーマンスを向上させています。これらのおかげで競合他社の半分の読み込み時間を誇るeBayですが、その改善への取り組みは今も続いています。
eBayのガイドラインに従ってHTML5やHTTPSプロトコルを使用する売り手としては、その読み込み速度に疑問が残るかもしれませんが、サイト全体を通して見るとそこに大きな影響はありません。
クロール用に調整された構造とコンテンツ
Googleなど通常の検索エンジンで検索すると、エンジンはその検索クエリとウェブサイトの内部リンクやコンテンツとの関連性を精査します。これが“クロール”と呼ばれます。そのため通常のウェブサイトのSEOの基本は、サイトの内部リンクをきちんと機能させ、コンテンツが明確に表示されるようにすることです。でなければ、検索エンジンから索引されません。
ところがeBayの場合、内部リンクの構成はシンプルですが、コンテンツ構造はページによって大きく異なります。
この多様性のため、eBayの検索エンジンであるカッシーニは、検索との関連性をはかるのに商品説明文よりも商品タイトルを索引します。
通常の検索エンジンは、商品タイトルだけでなくeBayの商品特性やタクソノミーも索引しますが、商品説明文から索引しないのはカッシーニと同様です。
商品のURL
従来の検索エンジンに関して言えば、SEOで最も重要なのはクロールしやすい明確でシンプルなURLです。
eBayでは過去に、リスティングのURLを統合するためURLにキーワードを追加することを売り手に推奨していました。 しかし、この取り組みは成功することなく、現在eBayは商品番号のみを含むURLパターンを使用しているため、URLからはそのリスティングがなんの商品であるかはわかりません。
画像代替テキスト
多くのSEOに関する記事やノウハウなどで、リスティングにアップする画像のファイル名にキーワードを入れることが推奨されています。しかし画像が実際に提供する情報は、ファイル名の代替テキストだけでなく、コンピュータービジョンやリスティング内の他のコンテンツ、データなど様々な要素の組み合わせです。
さらに、アップする前にファイル名を変更しても、一度リスティングが投稿されるとeBayによってが負うの代替テキストはリスティングのタイトルに上書きされてしまいます。そのため通常の検索エンジンがリスティングをクロールする際に索引するのは、商品の説明文ではなくeBayによる画像データということになるのです。つまり、ファイル名を変更する手間は実は無駄だということになります。
多くのSEOに関するノウハウは、ウェブサイトや通常の検索エンジンに向けたものであって、eBayで出品するリスティングのためのSEOとは異なります。
もちろん共通する部分もありますが、そのほとんどが、eBayでは特殊なアルゴリズムによって関係がなかったり、またはeBayのコントロール下にあるため売り手にはどうしようもない部分だったりするのです。
次週の記事では、売り手がコントロールできるSEOについてをご紹介していきます。