eBayのGTC機能について

eBayのGTC（Good Till Canceled）をご存じですか？出品商品が購入されるまで、もしくは売り手が出品終了するまで販売を継続するこの機能は、うまく使えばeBayのSEOに役立てることができます。

eBayに商品を出品する際、金額を固定または“Buy it now”（即決購入）にした場合はリスティングの期間を選ぶことはできず、 “Good Till Canceled” (GTC)の状態で出品しなければなりません。以前のeBayはリスティングの期間をあらかじめ設定して出品することができていましたが、現在GTCのみに変更されました。つまり、商品が完売するまで、または売り手がリスティングを取り下げるまで、自動的に販売が継続されるのです。

もちろんこの変更に反対する売り手も多くいます。その理由は、リスティングが自動で更新されるごとにかかる手数料です。これを防ぐため、リスティングのうちいくつかを走らせて、その他は凍結するなどの手間をかけている売り手もいます。

この記事では、そんな状況下でGTCを利用してうまくSEOに役立てる方法を紹介していきます。

GTCの特徴

以下はeBayの元販売マネージャーが、GTCについて説明した文の引用です。

「我々がこの度変更を行ったのは、GTCリスティングが他のどの固定価格のリスティングよりも、多く売り上げていることが確認できたためです。 GTCリスティングは、リスティングの継続期間中、同じアイテムIDとURLを維持します。そのため、時間が経つごとにウォッチャー、売り上げ履歴、およびSEOオーソリティを保ち、さらに成長させます。それにより、買い手がeBayで商品を発見する機会を向上させ、より多くの販売機会が得られると信じています。」

Eコマース界においてここまで率直でシンプルな文言もあまりないでしょう。

多くの場合、売り手は半信半疑でECモールの変更に従う他ありません。GTCの件で言えば、メリットはリスティングが単純に長く掲載されることで買い手への露出が増えるだけだとほとんどの売り手が考えがちです。

もちろんそれもメリットのうちの一つですが、eBayが変更を行ったのにはそれ以上にもたくさんあるからなのです。

固定URL

SEOのもっとも基本的な要素に、固定URLがあります。固定URLとはどんな状況でも変わらないリンクのことです。eBayのリスティング自体はそれほどSEOに適していませんが、検索エンジンでの表示のされ方は固定URLによって大きく左右されます。

ほとんどのeBayリスティングには基本URLが与えられる？:

https://www.ebay.com/itm/304173435852

URLの末尾にある数字が、リスティングごとに固有の商品番号です。リスティングの期間が終わるまで、この番号は変わりません。同リスティングが更新されると、新しい商品番号が与えられ、URLもそれに応じて変わります。すると、売り手によってリスティングが終了されたという通知が行ってしまいます。もちろんこれは大きな売り上げ機会のロスにつながります。

GTCのメリットは、自動更新されたあともリスティングのURLが変わらないことです。eBayの外、例えばGoogleなど通常の検索エンジンやSNSやウェブサイトなど、同じURLを保つことで買い手への露出を増やしていくことが可能になります。

売り上げ履歴

eBay外のメリットはもちろん、eBay内においても、売り上げ履歴を更新していくことでECモールSEOに役立ちます。

リスティングの売り上げ履歴は、検索結果に表示される順位を大きく左右します。良好な売り上げ履歴なしに、商品を売り上げることは非常に難しいのが事実です。

理由がなんであれ売り手がリスティングをストップさせた際、売り上げ履歴もそこで終了します。同リスティングを再稼働させても、履歴は引き継がれません。上の画像では商品を229売り上げた履歴がありますが、売り上げゼロの状態にリセットされてしまうのです。これは検索結果の表示順位を大きく下げてしまいます。

ユーザーエンゲージメント

他に検索結果の表示順位に関わってくるのはユーザーエンゲージメントです。ユーザーエンゲージメントは、どれだけ多くの買い物客がリスティングを見たか、どれだけクリックされたか、どれだけ購買に至ったか、の三つの要素から計算されます。

また、どれだけ多くの買い物客がリスティングをウォッチリストに追加したかでも、ユーザーエンゲージメントを計ることができます。もし特定のリスティングを多くのユーザーがウォッチリストに入れていたら、そのリスティングにスペシャルセールを行うなどして、売り上げ機会を作りやすくなるでしょう。

“在庫切れ” 

また、出品する際に忘れてはいけないのが“Out of stock（在庫切れ）”のオプションです。商品の在庫が切れても、リスティングの売り上げ履歴とユーザーエンゲージメントのデータを保つことができます。

“Out of stock”のオプションを取り入れることで、売り手はリスティングを最大3か月まで“Freez（凍結）”させ、その間に在庫を再入荷することができます。リスティングを再稼働させる際には、以前のパフォーマンスデータも引き継がれます。“Out of stock”が選択されなかった場合、在庫が切れるとリスティングも自動的に終了していまい、データも失われてしまいます。

結論

eBayの新しい変更、GTCは決して悪いものではありません。実際、正しく使えばeBayの出品商品SEOに役立てることができます。

多くの誤解に反し、ルールが変更される以前から80％の固定価格リスティングがGTCを使用していることが分かっています。

GTCのルールは今後しばらく変わることはないでしょう。うまく利用して、リスティングの売り上げに貢献させましょう。