ECモールに出品する商品のカテゴリ分けはどうやって行っていますか?なんとなくで選んだカテゴリで、効果は上げられていますか?今回の記事では最適なカテゴリに商品を分配するコツ、その効果についてご紹介します。
Eコマースのサイトで買い物をしていて、使いづらいまたはわかりづらいカテゴリの仕組みに出会ったことはありませんか?商品を正しいカテゴリとサブカテゴリに分けることは、買い物体験の良し悪しを大きく左右します。
これは個人のECサイトのみならず、ECモールに出品する際も同様です。今回の記事では、ECモールでのカテゴリ構成についてと、うまく機能しているかテストする方法についても解説していきます。
もっとも有名なカテゴリ分けの方法として、カード分けがあります。それぞれの属性ごとに複数のカードを作成し、カテゴリとサブカテゴリに分けていくやり方です。この方法の問題点は、どのカテゴリにも当てはまらない商品が出てきた際に「その他」に商品が行ってしまうこと。買い手は、「その他」以外のカテゴリにおいては問題なく買い物をすることができます。
カード分けでカテゴリを構築した際には、ツリーテストを行うことをおすすめです。ツリーテストとは、ツリー内の特定の商品を見つけるタスクによって、カテゴリーやツリーの構造がうまく機能しているかどうか調べるテストのことです。
ツリーテストの作り方は簡単です。まず、ツリー構造を作成し、次にその構造の中に置く商品のリストを作成します。
ツリーの作成
カテゴリーツリーは、ショップ内すべてのカテゴリとサブカテゴリを含んだ、3~4の層で構成されます。結果に影響が出る可能性もあるため、一部分のみのテストは避けましょう。例えば、ショップ内に「ファッション」と「アパレル」のカテゴリがある場合、売り手がどちらかひとつのみを選択したテストではユーザーが別のカテゴリを選択した場合の結果がわからなくなります。
ひとつのカテゴリに二つ以上の名前が当てはまる場合は、ツリーを双方でテストしましょう。A/Bテストのように、どちらが良いか結果を比較します。
ひとつの商品が複数のカテゴリに当てはまる場合は、それぞれのテストは必要ありません。一回のテストで、ユーザーがどのカテゴリを選択するのか確認ができるからです。例えば商品がアーモンドミルクであった場合、それが乳製品カテゴリかビーガンカテゴリかは、一度のテストでどちらがよりメジャーなチョイスであるか知ることができます。
まずはツリーをスプレッドシートで作成してみましょう。シンプルでツリーが視覚的に分かりやすく、複製や他フォーマットへのコピーも簡単にできます。コラムAのロウ1をサイトのホームとし、そこからカテゴリとサブカテゴリを下につなげていきます。
ツリーが完成したら、テスティングツールを使用して、テストを開始します。
テストの定義
集めた情報をもとにツリーを精査するため、ユーザーへのタスクと質問もツリーと同様に重要です。まず始めにどのカテゴリをテストするか決め、その中からストア内でもっとも重要な商品や新しいカテゴリとサブカテゴリなど検証が行いたいカテゴリを選択します。
商品が実際にツリーのどこにあるかという情報を確認しておくことも大切です。のちにテスト結果と比べる際に役に立ちます。
タスクの文面にも気を付けましょう。特定の商品をカテゴリツリーのどこに配置するかを聞くこと、また、ひとつのカテゴリに特定させることも必須です。文面内で、正解のカテゴリを示唆しないようにも気を付けましょう。
以下はタスクの文面の例です。ファッションカテゴリ内のメンズのドレスシャツを例とします。:
一番目は、カテゴリ名を使ってしまっているため不適切です。二番目は、買い物の背景を与えていますが、長すぎてユーザーを混乱させるかもしれません。三番目は、簡潔で分かりやすく、かつカテゴリ名も使っていません。
ツリーテストの難しい点
ツリーテストは通常、テストフォームのリンクをユーザーに送り、結果の返信を待ちます。形式ばったフォーマットであるため、個人的なフィードバックを得難いのがこのテストの問題点です。
何度テストを行って、タスクがユーザーにとって明確かどうかを確かめたり、タスクの文面、カテゴリ、サブカテゴリの調整を行いましょう。
また、テストの最後に自由コメント欄を設置することも、パーソナルなフィードバックを得るためにおすすめです。
まとめ
ツリーテストは、カテゴリ構造のクオリティを精査するのにベストな方法です。実際のサイトで見る感覚と違ったり、個人的なフィードバックが得られにくいなどのデメリットはありますが、ツリーテストのもたらすメリットも考えてみましょう。テストで得られた情報をもとに、ショップのカテゴリ構造を改善することで、買い物体験は飛躍的に良いものになるのです。
また、ECモールのショップにおけるカテゴリ管理は、ECモールではなくショップ管理者、売り手の責任となります。だからこそ、時間とコストを使ってもきちんとしたカテゴリのツリー構造を作り、テストと改善を続けていくことが重要なのです。