楽天市場では2023年4月から始まった「楽天SKUプロジェクト」が進行中です。まだ移行が完了していない店舗の中には、プロジェクトの変更点や必要な準備について疑問を持っている方もいらっしゃるかもしれません。今回はこのプロジェクトの概要と移行対応について説明します。もし前回までのブログを読んでいなければ、まずはこちらをご確認ください。
SKUプロジェクトで“ほしい”が見つからないユーザーの課題を大幅改善
楽天SKUプロジェクトとは
SKUプロジェクトは、SKU単位での商品登録とデータ保持を可能にし、検索時の利便性を向上させ、また一つの商品ページ内で入数や重さの違いなどによる価格差を表示できるようにするプロジェクトです。これにより、店舗の商品が顧客により見つけやすくなり、購買体験が向上し、店舗の売上も期待できます。
プロジェクトのメリット
SKUプロジェクト移行に伴う主なメリットは以下の4点です。
① 同一ページ内で価格違い商品を比較可能
従来は価格の異なる商品は別ページでしたが、SKUプロジェクトでは同じページに表示できます。顧客は複数ページ間を行き来せず、同じページで比較ができ、離脱率が低減します。店舗も商品を効率的に管理できます。
② 3軸以上のバリエーション設定が可能
以前は2軸までの設定でしたが、SKUプロジェクトでは最大6軸までの設定が可能です。顧客はより多様なSKUから選べるようになります。
③ 楽天サーチ上でバリエーション表現が可能
SKUプロジェクトではSKU単位で商品属性を入力でき、サーチ上で絞り込みや属性表示、単価表示ができるようになります。顧客はニーズに合った商品を見つけやすくなります。
④ SKU画像の活用で商品選定が容易に
SKU単位で商品画像を登録でき、検索結果によってSKU画像を表示できます。これにより、楽天サーチ上での商品比較が簡単になります。
移行の対応について
SKUプロジェクトの移行に備えるための主な対応項目は以下の通りです。
① 商品ページ統合の検討
各SKUを1つの商品ページに統合するかどうか検討しましょう。SALEサーチの審査基準の変更を考慮して、統合するSKUごとの割引率なども検討します。
② 商品画像の遵守事項対応
商品ページを統合する際に、第1画像に最安値のSKUの仕様を含む必要があります。サイズ違いのSKUを統合する際は特に注意が必要です。
③ 商品名の遵守事項対応
商品名に最安値のSKUの仕様を含む必要があります。例えば、特定の重量やサイズの情報を含める必要があります。
④ 商品レビュー移行申請
複数の既存商品ページを1つに統合する場合、各商品の保持していたレビューを申請して集約することができます。
⑤ SKU画像の登録
各SKUごとに画像を登録できます。楽天サーチなどで表示されるようにするために、SKU画像の設定を行うことができます。登録は任意項目ですが、徐々に登録していくことが推奨されています。
移行後の注意点
SKUプロジェクトの移行後に注意が必要な点は以下の通りです。
① 旧商品の対応
1つの商品ページにSKUを統合する際、追加したSKUの元商品ページは「旧商品」として扱われ、SKU移行後から360日間は新規注文が入らないようにする必要があります。旧商品ページの注文ボタンを非表示にし、新商品ページへのリンクを案内することが推奨されます。
② 広告の変更点と注意事項
- RPP広告、CPA広告、クーポンアドバンス広告: 価格に幅がある場合は「最安値価格~」と表記されます。SKU情報は検索結果で表示されます。
- 楽天市場広告、TDA広告: 入稿対応が必要で、SKUを選択した状態の商品ページURLを使用します。送料無料やあす楽の設定もSKU単位で行われる必要があります。
③ 二重価格の表示について
SKU移行後の商品ページでは、SKUごとに二重価格が表示されます。しかし、特定の条件を満たす場合はSKU未選択の商品ページでも二重価格が表示されます。
④ スーパーSALEサーチ イベント商品申請時の指針変更
商品ページ内で複数の商品価格設定が可能になるため、審査事項が変更されました。販売実績の初期化にも注意が必要です。
⑤ CSV一括登録の仕様変更
SKU移行後はCSVの仕様が変更となり、「normal-item.csv」「item-delete.csv」「item-cat.csv」への変更が必要です。商品レベル行、商品オプション行、SKUレベル行に分けて入力する必要があります。バリエーション設定のない商品でも販売価格を変更する場合は2行の入力が必要です。
以上がSKUプロジェクト移行後に留意すべき主な点です。詳細については楽天の公式情報を確認することをおすすめします。
まとめ
楽天SKUプロジェクトの移行により、顧客の利便性向上や商品バリエーションの展示が可能になります。ただし、新しいシステムへの適応と変更点への対応が必要です。移行前の準備が重要です。
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